2018年10月23日火曜日

Fitzhugh-Nagumoモデルをつなげた

 以下を実行したnotebookはこちら

 棘徐波複合の再現に挑戦してみようという機運になった。手始めに、以前1ノードで再現したFitzhugh-Nagumoモデルを連結するところから始めた。
 内部処理はオリジナルと同じものを用いた。外部入力は、他ノードからの入力と、「中枢」的なものからの入力の和とした。すなわち

 I=(他ノードからの入力)+(中枢からの入力)

とした。
 他ノードからの入力は、連結するノードのuの総和とした。(将来的には、これを発火時1、静止時0のようにしたい)
 中枢からの入力は、今後「視床由来の3Hz徐波」のようなものを考える可能性を考えて加えたものである。これはひとまず1+正弦波とした。1を足した理由は、マイナスになることのないようにしたかったため。
 Iの大きさが色々と変わるので、最終的な入力としては係数kとの積を取った。
 ノード数はひとまず5個。ネットワーク構成は、隣り合ったノードと結合して1周するような5角形。

 そのようにした上で散々色々なパラメータで実行した結果たどり着いたあるパラメータでの結果。

 最上部画像:全5ノードのuプロット
 下の5画像:各ノードのuプロット







 うまい具合にバラバラに発火するような感じになった。また上の結果はたまたまこうなったわけではなく、何度も実行した場合にもちゃんとバラバラに発火するような感じが再現された。なおkを大きくした場合には全ノードが同期してひたすら発火、小さくした場合には全ノードが静止する。
 本来は中枢からの入力を3Hz 波にしたかったので、"1+sin 6πt"とするべきなのだが、早とちりして"1+sin 3t"としてしまっていた。そこを正した場合で色々とパラメータ探索を試みたが、うまい具合にバラバラに発火するようなパターンを見つけられなかった。ある時の結果がこちら。


 見ればわかるように、3Hz波がモロに残ってしまっている。この結果をもってさっきの結果をもう一度みてみたら、同じように中枢由来の入力の周波数3/2π Hz程度で揺れていることに気付いた。
 Fitzhugh-Nagumoモデルで再現される波(以後、FN波)の周波数が2回のシミュレーションで変化しないこと、および先のシミュレーションではFN波と中枢由来の入力の周波数が比較的近い(または整数倍に近い)ことから、この中枢由来の入力の周波数がFN波の周波数と何らかの条件を満たした場合にのみ、上で見られたような適度に発火する系を再現できるような気がする。
 すなわち、このような「適度に発火する」「同期しない」の状況になるにはかなりパラメータの調整が必要そうである。そのため、(おそらく)同じ機構で働く神経細胞が様々なネットワーク・入力の下で意味のある発火を行うためには、各神経細胞がそれぞれ適度に発火するよう自分を調整するようにする仕組みが必要かなという気がする。それはパラメータ調節かもしれないし、入力がなくても発火するようなものかもしれないし、そこは神経生理学の教科書などを読まないとだめそうである。

今後の課題
・上のモデルに色んな変化いれて棘徐波ができないか試す
・全く入力が無い神経細胞は発火するか調べる
・FNモデルのパラメータをいじったときの波形の変化
・色んな自動調節機構を創作する 調べながら考える

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